ジョ-ヤラのいざない/佐倉康之

ジョーヤラは豊漁を祈る祭船。

秋を告げる囃子に笛太鼓、獅子舞が各家を巡りこどもの頭をカプリと噛み付く、なにかおまじないの意味があるのだろう。そうされるとこどもはだいたい号泣しそれをみて大人はわらうのだ。
海崎、笹良目、代後地区は彦岳の麓にあって潮の香りただようところ。
日焼け顔の穏やかな人達の住むところだ。

私の父は代後で生まれ育ち、母は狩生に生家がある。
彦岳に見守られている二人は時折、山に向かっては手を合わせている。

母方の両親は狩生で酒屋を営んでいたらしい、古いアルバムの中にみる祖父母の背景にも彦岳は写っていてその山頂のドーム型はいまも変わらない。
父方の祖父母は代後地区に住み、祖父はアサノセメントの工員、祖母は私の記憶の限りではいろいろな仕事をしていた。半農半漁は勿論の事、ガソリンスタンド経営、肉屋経営等、バイタリティーのある人で、家族の為に生きたとても素敵な人だった。

幼い頃はそんな祖父母の家で大家族で過ごした。
皆で囲む食卓には笑い声が絶えなかった。
お盆の頃には東京の親戚も戻り、皆で家の前の海に飛び込み泳ぎの競争をしたりした。
秋には祖父の自転車の後ろに乗り大宮八幡神社の祭、ジョーヤラ船を眺めた。
豊後水道の入り江は波が穏やかで、キラキラと照り返される無限の反射光の中にそれは浮かんでいた。

潮風にバタバタと彩りがたなびき溢るる、あの船がいざなっている。

今年の秋祭は9月13日、14日らしい。
さあなつかしいジョーヤラに会いに出かけよう。

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佐伯市役所・新庁舎は強固な建築物だ。
佐伯は海に面しているし、津波は怖いからこのくらいが安心なのだろう。
新築完成記念に大分銀行からARTを贈呈する今回の企画に際して制作依頼を受けた。

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建築はかっこ良く無機質に仕上がっていた。素材の質感が美しくてしばし見入ったが、ここは佐伯だし土地の個性みたいなものがあると良いかななどと思いつつ、

『舟形』のイメージがよぎった。

1階エントランスロビー空間の天井まで伸びる大きなコンクリート柱3本の上の方、
舟に色彩を乗せて漕ぎ出せるようなフォルム、佐伯人の鮮烈な個性とこころ踊る色彩。
ワクワクするような佐伯のエネルギーをつくってみよう。

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photo: 瀬尾泰章 & 制作スタッフ

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設置作業の日

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photo: 瀬尾泰章

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